何年も前の出来事ですが、多分どなたかに勧められて来てくれた、お子様連れの外国人のお客様。
日本語を話すことはできないようだったけれどメニューは読めるようで、特に問題なくご注文なども終え、お二人でニコニコと過ごされた後、帰り際に棚に並んでいたジャムを買ってくれました。
ご注文されたスコーンにも添えていたので、お口に合ったのかなと嬉しく思っていたら、「全部手作りなの?!わ〜ぉ!もう美味しくてほっぺた落ちちゃったわ!」(意訳)という感じのことを映画とかで見るようなジェスチャー込みで表現してくれて、オーバーかもしれないけれどお気持ちはとても伝わったので、嬉しくて笑ってしまいました。
営業時間を聞いてお帰りになった翌日、開店時間にまた来てくれて、小さな娘さんはお店の音楽に合わせて鼻歌うたったり、すっかり馴染んで過ごしてくれている姿が本当に微笑ましく、バックパックを背負って帰られた姿を見送りながら、あの大きな荷物の中にこの小さなジャムも入っていて、どこかで荷物を開けた時また思い出してもらえるのだなぁとじんわりと幸せな気持ちになりました。
夏が終わり、だんだん日が短くなってきていた頃の出来事で、秋になるとジャムを並べながらいつも思い出します。
まだ暑いのか肌寒くなるのか、今くらいの時期が一番メニューの切り替えに悩む季節で、今年もどうしようかなと考えていましたが、この数年、夏にお出ししているカスタードを添えた冷たい浮島がとても好評なので、まだ暑さの残ることのある秋にもお楽しみいただけるように、今年の秋の浮島は新しく冷やしてご提供することにしました。
浮島自体は例年通りでそのまま食べて美味しい味に仕上げているので、それを邪魔しない程度のココアカスタードと、アクセントにカリッとカカオニブを添えています。後味の余韻も良く珈琲にも紅茶にも合いますのでぜひお楽しみください。