命綱。

若い頃は冬になると、どれだけ多くスノーボードをしに雪山に行けるか、という楽しみがあったものですが、どれだけ寒くても、寝ないで遊んでも、柔らかい雪とはいえ何度も転んで頭を打っても、どれだけ尻もちついても、特に何も問題なかった、若いって本当に素晴らしい。

今は雪が降りそうになると駐車場や店舗前の雪かきが頭をよぎり、(積もらなければいいけどなぁ)と思う、しがない大人になってしまいました。今シーズンは雪かきすることなく冬も終わりそうで一安心です。

冬に限らずですが、昔から那須によく出かけていて、中でも北温泉という山間にある湯治宿が好きで、那須に行ったら日帰り湯を利用したり宿泊したりと定宿のように必ず寄っていました。

最近は映画の舞台になったりテレビにもよく取り上げられたりと有名なので、以前とはまた少し雰囲気が違うかもしれませんが、山道を徒歩で下った先にポツンとある宿なので知らないと行けない場所にあり、物静かな、本当に“秘湯“という雰囲気でした。

ある冬の日、いつものように宿に向かったら、標高の高い場所にある北温泉の方は雪がだいぶ積もっていて、宿に向かう山道を指し示す入り口の看板には何本も藁縄(わら縄)がひっかけてありました。

初めのうちは慎重に下ればなんとか行けるかと恐る恐る進んでみましたが、先行する友人たちが見事にすっ転んでいて、どんどん急になっていく坂道を前に「このまま下るのは危険すぎる」「もはやお尻で滑り落ちていく方が安全」と、皆で足を止めて考え始めた瞬間、

『・・・看板の!わら縄か!!!!』

と同時に気がついてみんなで這いずるように上まで戻り、靴にわら縄を巻きつけたらスイスイと難なく進むことができて、こういうことか〜と感謝しながら無事宿まで辿り着くことができたのでした。

進んだり戻ったりをしていたせいで宿に着く頃には日も暮れかけ。最初に行くなら冬以外が良いかもしれないです。

湯治宿なので食事は自炊場を使い、道の駅などで買い込んだ美味しい食材を使って炊き込みご飯を作ったりしてました。豪華な旅館もいいけれど、湯治宿も大好きです。