海を越えて。

前回偶然のようなおみくじの話を書きましたが、その後再会した友人との会話も、今のお店に至る不思議なきっかけとなりました。

今のお店を改装中、アメリカ在住の友人が産まれた子供と帰国することになり、とても久しぶりに仲間内で集まりました。

彼女は長らく緑茶界隈の仕事に携わっていて、アメリカへ行く前はフランスでも緑茶普及のために働いていましたが、お茶だけでなく和菓子のレシピコンテストで賞を取ったり、日本の伝統文化全般に詳しい、年下だけど先生のような人。

集まりの解散後にその友人(+子供)と私とでふらりと買い物に出かけた電車内で、再開するお店の話をしながら、今度のお店は和菓子を出すつもりがないということを何気なく口にしたところ、「せっかく和菓子を何でも作れるのに絶対にもったいない」と静かに説得され、そうかぁと考え直して和菓子も出すことにしたのでした。

あのタイミングで彼女が帰国していなかったら、そしてたまたま二人で出掛けてあの会話をしていなかったら、今までお出ししたメニューのあれもこれもなかったと思うと、“ 和菓子も作りなさいよ “と彼女に言わせるために帰国させてくれたかのように勝手に感じてしまいました。

ちなみに和菓子を出すつもりがなかったのは、お店を再開するまでの間、次にお店をやるときのトーストメニューには自分で焼いたパン(ベーグル)を使おうとずっと試作を重ねていたので、気持ちがそちらに傾いていただけのことなのですが、和菓子(あんこ)を楽しみに来てくださる方がとても多いので、やっぱりお出ししていてよかったなと彼女に感謝しています。

友人の助言には一度で納得し、神様の助言には3回目でやっと納得する私。ごめんなさい。