カフェオレ or カフェラテ

時々「カフェラテください」というご注文があるのですが、当店では「カフェオレ」のご提供となるので、念のためカフェオレで良いか確認させていただいています。

「カフェオレ」と「カフェラテ」の違いを気にする人は多くはないのかもしれませんが、混同している、又はどちらも同じ意味合いで捉えられていることがある気もするので、別の飲み物であることを踏まえての確認です。

どちらももちろん「珈琲牛乳」ではありますが、ベースの珈琲がそれぞれ異なり、「カフェオレ」は主にドリップした珈琲を、「カフェラテ」はエスプレッソを使用します。当店はドリップコーヒーを使用しているのでメニューは「カフェオレ」。使用している豆もカフェオレ用の深煎りです。

スターバックスなどのメニューに慣れてしまうと、カフェオレ=カフェラテというイメージになりやすいのかなとも思いますが、さらに言えば「カフェラテ」と「カプチーノ」もミルクの温度や泡立て方の違いがあり、同じようでも作り方は微妙に異なります。微妙であるが故にバリスタ以外の人がきちんと作り分けることは本来は難しい飲み物です。


私にとってのカフェオレは、本当は珈琲とミルクが別々で出てくるヨーロッパのカフェのスタイルが憧れで、どうしてもそれが体験したくて20年くらい前パリまで遊びに行きました。

拙いフランス語で緊張しながらオーダーしようとしたら、ギャルソンのおじさまが早々に遮り、

よーしよしお前の言いたいことは分かってるこれとこれだろ?大丈夫だ心配するな何も言わなくていい俺に任せとけ」(意訳)

という感じでブワーっと話されて最後まで聞いてもらえなかったけれど、しっかり汲み取ってくれて無事本場のカフェオレ体験をすることができました。その頃すでにそういう提供をしているお店は老舗の有名店くらいだったと思いますが、今はどうなのかまた行ってみたい。(そしてきっとまた注文は遮られる)


以前、ご年配の男性に珈琲を注文され、「珈琲にね、ミルクを入れてほしいんだ」と言われたことがありました。

コーヒーミルクは別添えでお出ししますのでとお伝えしたところ、「ううん、そうじゃなくて普通のミルク」と言われたので、カフェオレのことだろうかと確認したら、「ミルクを入れるとカフェオレっていうのかな?カフェオレかな?」と困惑させてしまったことがありました。

一応ご説明してカフェオレをお出しした後、そのまま特に何事もなく普通にお帰りになりましたが、シンプルに珈琲牛乳と説明すればよかった、と反省。ありふれているように見えるメニューほど意外と説明が難しく、「珈琲フロートって何ですか?」というご質問も、何か別の答えを求められているのかもしれないと深読みしてしまって難しかった。