なるべくありませんように。

春が近づくと環境が変わって引っ越されるお客様とのお別れが少なからずあります。特に、通ってくれていた学生さんはご報告がなくても、なんとなく環境が変わったのだろうなと春が過ぎるとぼんやり考えたりします。

来てくださっている方にこちらからお声がけすることはほとんどしないので、なんとなく学生さんかなとか、お仕事の合間に来てくださっているのだなと思うことはあっても、詮索することはありません。

なので、長く通ってくださっている方の「来週引っ越すんです」「今日引っ越しなんです」というご報告で初めてお仕事を知ったり卒業を知ったりで、お別れがいつも急になってしまうので割とダメージが大きいです。

好きなカフェがなくなってしまう経験と、自分のお店にいつも来てくれていた方が引っ越してしまう経験、どちらも体験している自分の中でどちらが寂しいか比べてみると、圧倒的にお客様とのお別れの方が寂しい。

好きなお店がなくなってしまう時、なんでなんでなんで!?といつも思っていた私ですが、今はお店をやめる理由もよく分かるし、やめないと続けられない、という相反する状況がままあることもよく分かるので、ショックを受けることが大分なくなったことも理由の一つかもしれません。

前のお店の時もそうだったので小さなお店あるあるかなと思うのは、一時的にものすごく頻繁に来ていただく方はとても多いのですが、そういうご利用はあまり長く続かないもので、忘れられていく速度も多分早く、むしろそれが普通と受け止めています。

特に、カフェがもはや「情報」というカテゴリーに属していそうな側面もある今、次から次へと新しい何かを求めるのが当たり前なのだろうと割り切る日々の中、実際に本当に長い間通ってくださった方とのお別れは、いつもぽっかりと心に穴があいて、そのままあきっぱなしです。

コロナ禍で足が遠のいてしまった、たくさんの方々との失われた時間も寂しいし、今年もあまりたくさんのお別れがなければいいなぁと祈る季節。